Sunday, July 14, 2013

信教の自由と「天皇、日の丸、君が代」(憲法1条、憲法3条)

昨日、娘から聞いた話です。
東京高校生平和ゼミナールの集まりで、ある男子高校生が次のような発言をしたそうです。

「都立高校に通っていますが、入学式で君が代斉唱の時、起立しなかったら、教師がそばに来て、「立ちなさい!」と何度も言い続けました。しかしそのまま座っていました。式が終わったら校長室に呼び出され「あなたのせいで式が台無しになったのではないか」と、怒鳴られました。」

その話を聞いて胸が痛みました。
考える力と勇気ある学生が、無残に迫害されるような学校をつくってしまった安倍自民党政権。
自民党改憲案で平和と民主主義、私たち権利と自由が侵害されます。愛国心を具体化する手段として、自民党案は第三条に「日の丸・君が代」の尊重義務規定を新設しました。

7月21日に迫った参議院議員選挙、自民党には入れないでください!

以下は、憲法改正が宗教界に与える影響――信教の自由と政教分離(藤山みどり宗教情報センター研究員)の一部です。

http://www.circam.jp/reports/02/detail/id=4267

■信教の自由と「天皇、日の丸、君が代」(憲法1条、憲法3条)

 最後に「信教の自由」に関する補足として、憲法20条以外の関連する条文を見ておこう。自民党改正草案では、天皇を象徴と定めた現行憲法1条を改正し、天皇を元首化した。さらに3条で「国旗は日章旗とし、国歌は君が代とする」とし、同2項を新設して国民の国旗・国家尊重義務を規定した。自民党は、「国旗及び国歌を国民が尊重すべきであることは当然のこと」とする。すでに1999年に国旗を日章旗、国歌を君が代とする国旗国歌法も成立している。

 だが、「日の丸(日章旗)・君が代」を戦前の天皇制絶対主義と軍国主義のシンボルと考え、拒否感を示す人がいる。教育委員会の通達や国旗国歌法の成立によって国歌の起立斉唱が徹底された公教育現場では、訴訟に発展したケースも多い。
……
こうした経緯から、プロテスタントの牧師からは、憲法改正された場合、公立校の教職員だけでなく一般市民であっても国歌斉唱・国旗拝礼をしないと行政指導されかねないとの危惧が挙がっている。これには宗教上の理由もある。

キリスト教では偶像崇拝が禁じられている。このため、天皇を神として礼賛する君が代には、抵抗があるという。また、日の丸はアマテラス(天照大神)崇拝に起源をもち、その子孫とされる天皇のもとにある国家を象徴しているともいわれ、日の丸拝礼もキリスト教が禁じる偶像崇拝に当たる。偶像崇拝を禁じるキリスト教などの信者にとって、君が代斉唱や日の丸拝礼をさせられることは、信教の自由の侵害となる。

日本カトリック正義と平和協議会や日本基督教団は、1999年に国旗国歌法が成立する前に、日の丸・君が代の法制化に反対する要望書や声明を政府に提出した。ただし、その反対理由は、信教の自由の擁護のためというよりも、君が代は天皇を讃美するもので憲法が定める主権在民の原則に反する、天皇制軍国主義や戦時下の人権侵害を繰り返してはならないなど、軍国主義に戻らないようにとの要望が中心であった。

 これに対して、神社本庁は敬神崇祖、尊皇愛国が基本理念で、憲法に関しては、第一章の天皇条項、第二章の戦争放棄と武力の否定、第三章の国民の権利及び義務条項のなかの政教分離に関する規定の3点を中心に改正の必要性を訴えてきた。なかでも天皇条項の改正を最重視し、天皇の国家元首としての地位の明確化、天皇の国政上の機能の見直しも含めて改正すべきと主張してきた。

また、1946年の神社本庁設立以来、国旗・国歌の尊重と国土愛護の精神の昂揚を掲げてきており、1999年の国旗国歌法の成立も教育現場での混乱収拾や日の丸・君が代の反対運動に歯止めをかけられると歓迎された。現在の日本国憲法下でも日本が天皇制の国であることは紛れもなく、天皇制の国がその国旗・国歌に、天皇制と密接に関係のある旗や歌を用いるのは、むしろ当然のことという。

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